幕末に日本を訪れたプロシャ商人リュードルフは、下田を訪れた際に、「鳥という鳥がみなよく人になれている」のに驚き、オランダ長崎商館に勤めていたスウェーデン医師ツュンベリは「銃で脅かされたり乱獲されたりすることがない」ので「しばしば信じ難いほどの大群がいる」と記し、イタリア人外交官アルミニヨンは「農民がこれらの小鳥の農作物に及ぼす害を気にせず、そのことでこぼしているようにさえ思えない」のが不思議だと記述している。(出典:「逝きし世の面影」渡辺京二 平凡社)

山、海、川、草木、生き物と共存してきた日本の価値観とは大きく異なります。日本人の自然への接し方に来日した西洋人はみな驚いたのです。

しかし、自然と共生してきた日本人ですが、西洋文明とともに発展してきたことにより、西洋と同じように「自然を支配する」ことを学びました。地球には無数の生き物がいます。人間の一生があるように、すべての動植物には尊い生涯があります。

私たち人類だけが繁栄し、いまや「わずか十数年のうちに、地球上の人口は現在の77億人から85億人に、さらに2050年までにほぼ100億人に達する見込みです」(出典:「世界人口推計2019年版」国際連合広報センター)。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。