ドイツの楽聖ベートーベンが言ったとされる有名な言葉にも「苦悩を突き抜けて歓喜にいたれ!」とあります。ベートーベンは難聴にも負けずに名作を残した音楽家なだけに説得力があります。

ネルソン・マンデラは、南アフリカ共和国の元大統領で、黒人を差別する政策「アパルトヘイト」を打ち破った人です。この政策のせいで、黒人は人間扱いされていませんでした。

マンデラは、人間を差別する政策を絶対に許せないという正義の心で行動しました。当然、政府から迫害を受け、44歳から72歳になる27年間も牢屋に入れられてしまうのです。まさに「困難」です。

しかし、マンデラはこの困難に負けませんでした。出獄し、アパルトヘイトを撤廃したのです。そしてマンデラは、世界中から尊敬されるなか、大統領になりました。

人物だけではありません。桜の木も、冬に厳しい寒さにさらされた方が、春には満開のきれいな花を咲かせるそうです。

反対に冬の寒さが中途半端だと、春になっても中途半端にしか花を咲かせないといいます。「幸せだ」と胸を張って生きている人の多くは、困難がきたことを前向きにとらえる明るさと、乗り越える強さをもっている人だといえるでしょう。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『教師は学校をあきらめない! 子どもたちを幸せにする教育哲学』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。