男子の制服は紺の上着に千鳥格子の模様のズボンで赤色のネクタイ、女子は紺の上着とスカート、そしてベストが千鳥格子の模様だった。女子もネクタイで、かなり斬新なデザインの制服である。

アッキーはこの千鳥格子の模様のズボンが嫌でたまらなかった。だぶだぶとしていてまだまだ長く、裾上げが随分としてあり背が高くなるのを待っているようだ。

男女ともに皆ネクタイを苦労して結んでいた。お父さんに教わっている生徒もいたが、なかなか上手く結べない。アッキーも毎朝何度も結び直し、遅刻しそうになることもあった。

ぼ~っとしていたら、斜め前から少しハスキーな声で呼びかけられた。

「よっ、俺、浩司。よろしくな」
「あ~、俺、アッキーだよ。よろしく」

簡単な挨拶だったが、案外気が合いそうに感じたアッキーである。

「俺、かるた部に入るよ。アッキーは? あっ、アッキーって呼んでいいのか?」
「いいよ、俺はサッカー部だよ」

アッキーはかるた部の存在すら知らない、なんて渋いのだろう。どんな部活動なのだろうか?

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ずずず』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。