アイデアは出ない人はまったく出ません。一方、出る人は次々浮かんでくるという傾向があります。

しかし、企業の中で創造力が豊かな人はほんの一握りです。アイデアを生み出せる、いわゆる創造力のある、天性の才能を持つ人は、貴重な存在と思われがちです。

しかし、そうではありません。アイデアは誰もが生み出すことができます。自分には創造性がないと思い込んでいる人は、生み出す方法がわからないだけです。

日本のものづくりが危ないという警鐘を鳴らす人がいます。新興国にものづくりの拠点がシフトしたことで、日本のものづくりの将来に暗雲が立ちこめているという声もよく聞きます。なぜ日本にはスティーブ・ジョブズのような人材が出てこないのかという疑問のもと、ある大学と共同でものづくりプロジェクトの活動を行ってきました。

その中で創造ミーティングという場を設け、新しいアイデアにチャンレンジしてきました。若い人に気づきを提供することができ、そこから幾人かの人材が育っていきました。

私たちが最も大切にしたのは創造ミーティングという場です。対話を重ねながら新しいアイデアにたどり着く手法です。その方法をこれから紹介します。

なぜアイデアが出てこないのでしょうか。それは現実が頭を押さえつけているからです。現実が社員の発想を貧困にしているのです。例えば商品やサービスの競争力がなくなるのは、その利用条件に制限があるからです。

※本記事は、2020年1月刊行の書籍『確実に利益を上げる会社は人を資産とみなす』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。