俳句・短歌 短歌 医師 2020.11.28 短歌集「花の影」より三首 歌集 花の影 【第4回】 松森 邦昭 医師として、多くの命と向き合ってきた著者が綴る、日常、仕事、家族のこと――。 本書では、著者が趣味で書き溜めた短歌を一冊にまとめた。 季節の歌や旅の歌に加え、本業である医者としての日常や患者との出会いなどに関する歌も収められている。 温かな生命が宿る短歌を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 *木曽駒ヶ岳・千畳敷カール 霧舞台ゆるり幕あき宝剣の鋭き岩峰きらめき出ずる 一つ減り二つ減りつつどこまでもカモメ船恋い陸の遠しも 悦びを身体で舞いし踊り子が哀しみに落つ指の先から
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『俺たちのアビリティフォース』 【第20回】 藪坂 りーた あの時の姿になれた!力を手に入れたレッカは憑依生命体へと立ち向かう! 意を決した後、それを天に掲げ、「来い!」と短く静かに声を張った。すると一層の輝きが体を包み込み、「……お、おお。 き、きた! 」あの姿に……、なれた。全身をくまなく確認したが、ちゃんと全身オレンジ色を基調としているあの時の姿だ。「っしゃあ! 行くぞっ!!」自ら鼓舞するように両腕の拳を握りしめ自分に気合を入れる。衝動が抑えきれない。つい先程存在を頼りにしていた院さんの事も待てず、いきなり目先数十メ…