【薬の行方】

小学生の頃のある日、風邪を引いていた私は病院で処方された粉薬を学校へ持って行った。

昼食後、机の引き出しにしまっておいたはずの薬を飲もうとしたが、どこにも見当たらない。私は一生懸命探したがやはりどこにもなかった。

仕方なく先生に持参した薬がないことを報告した。

すると先生は私がいじめに遭っていると思ったのか、激しく怒り、クラス全員に正座するように命じた。

先生 「誰がソート君の薬を隠したの!?」

咳き込む私。

5分経っても誰も名乗らない。

先生 「ソート君、苦しんでいるじゃない!!」

怒る先生、咳き込む私。

誰も名乗らないため、先生が怒りながら、私の机の引き出しを確認した。

すると引き出しの奥からオブラートに包まれた白い粉薬を発見した。

青ざめる先生と私。

先生 「これは何!?」

私 「持参した風邪薬です」

先生 「でしょうね!!」

それから3日間私は静かな学校生活を送った。 
 

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『ソートの人生 喜びも怒りも、悲しみさえも、笑え』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。