また、同じ『公共経済学』の第7章「地域的調整」で経済学者の岡野行秀は、「教育のようにサービスそのものが外部経済を伴うものについても、外部経済を含めた国全体の便益を極大にするため補助金が給付される〈※太字処理は庄司による〉」と書いている。

岡野はここで、公共サービスの供給にあてる補助金を交付することによって、地方の公共サービスの供給量が国全体と比較して過少にならないようにすると言っているので、萩田のいう「第一の理由」とほぼ同じように見える。

しかし、決定的に異なるのは「外部経済を伴うもの」としているところだ。「外部経済」とは何かについて、ここで詳しく説明したい。

この外部とは、「市場の外部」という意味だ。つまり、経済活動の費用や便益が取引当事者以外に及ぶことを、経済学では「外部性がある」という。便益が及ぶのを「外部経済」といい、逆に費用が発生したり不利益を被る場合は「外部不経済」という。公害が外部不経済のわかりやすい例であろう。

※本記事は、2020年10月刊行の書籍『補助金の倫理と論理』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。