特に脳の萎縮の状態から認知症のタイプが推測できます。認知症の原因として多いアルツハイマー型認知症の初期は、脳全体では目立った萎縮はみられませんが、海馬が萎縮しています。
進行してくると、海馬と大脳皮質を含めて脳全体の萎縮が著明になってきます(図1)。前頭側頭葉の萎縮が著しいと前頭側頭型認知症(図2・左)を疑います。
レビー小体型認知症(図2・右)では内側側頭葉の萎縮の程度はアルツハイマー型認知症の場合に比べて軽いのが通常です。
※本記事は、2018年5月刊行の書籍『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
本書で紹介している治療法等は、著者が臨床例をもとに執筆しております。万一、本書の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。
また、本書に記載している薬剤等の選択・使用にあたっては、医師、薬剤師等の指導に基づき、適応、用量等は常にご確認ください。
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