さらに医師の都会集中の中で高齢化が進んだ地域では医師自身も高齢化しなおかつ医師数も減少しています。

化石医師は「1人の医師の患者さんではなく何人かの医師が日により担当を決めて在宅医療を行う」。そのような提案をしていますが、これも医師数が少なければ難しい。

都会の医師過剰地域では在宅死を積極的に支えている地域もあります。それが理想でしょうが在宅死を考える場合都会の視点だけで捉えてはなりません。

都会では医療以外の介護のマンパワーもあり交通網も整備されています。前述のデータでは在宅死の割合が多い上位は東京、千葉、神奈川の自治体が占めています。別のデータでは1000人あたりの死亡率は医師数の多い地域では低く、医師数が少ない地域ほど高くなっています(北海道、東北など)。

同じ国民でありながら死亡率も高く在宅死も叶わない。何とも不幸なことです。ちなみに在宅死が最下位であった蒲郡市は医師のマンパワー不足があり市の医療体制の在り方を巡り住民運動も起きています。

現在我が国では将来的に人口の一極集中が懸念されています。全国的に安心して暮らせる地域社会づくりが進められなければますます一極集中が進みます。そうなった時は日本社会の未来もなくなります。

最近国の方針だからと医療の一元化、縮小を根幹とした地域医療体制について市の住民説明会がありました。その日住民から多くの異論が出ました。皆地域を愛し地域で人生の最期を迎えたいと願っています。

そのような住民の方々の真の姿を見ず願いに応えられない政治は淋しい。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『新・健康夜咄』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。