第2章 医師は認知症をどのように診断するのか?

◎井門式簡易認知機能スクリーニング検査

3分間程度で検査できます。見当識、記銘、手指模倣、言語の流暢性、遅延再生の5項目の検査で、詳しくはウェブサイトで検索してください。12点満点、9点以下は軽度認知障害(MCI)の疑い、7点以下は認知症の疑いです。手指模倣を紹介いたします。

A.「私の真似をしてください」と言って、両手でキツネを作ってみせます。
B.次に、「次はこれです」とハトを作ってみせます。

A:キツネ(左右の手)。最初に作ったもので評価します。両手ともに正答=1点、片手のみ正答=0.5点、両手ともできない=0点。

B:ハト。自分の体の方に掌が向いているものを正解とします。迷わずできた=1点、試行錯誤しながらできた=0.5点、できない=0点。1点か0.5点か迷う場合は、1点としてください。

[図1]キツネ・鳩テスト
このテストがうまく行えないときにはレビー小体型認知症を疑う