ところで、連邦補助金は19世紀末に生まれたとする『補助金の政治経済学』の記述には異を唱える人がいるかもしれない。1869(明治2)年に完成したアメリカ大陸横断鉄道の敷設にあたっては、連邦政府から補助金が出ているからだ。

平地は一マイルあたり一万六千ドル、山岳地帯は四万八千ドルの補助金が出た。それでセントラルパシフィック鉄道会社やユニオンパシフィック鉄道会社は、自分の路線を少しでも長くしようと競争した。多くの補助金を得るために平地を山地と偽って申告した例もあったようだ。

補助金はなぜ必要か、行政学的回答

このように、日本に限らずアメリカでも補助金の不正受給はあるようだ。おそらく、世界中どこでも補助金をめぐる不正は発生するのだろう。それについては3章で詳述したい。

そして、補助金はないほうが望ましいという思想の本家本元のアメリカにも補助金があるということは、おそらく世界中どこにでも補助金はあるはずだ。このことは「補助金は必要である」ということの証左なのだろうと思われる。