第2章 子どもの能力を伸ばす方法

蟻(あり)や雲、花などの観察をやめさせない

観察力は社会で成功するための大事な要素、見守る根気が大切

子どもがいつまでも蟻を見ているとき、「蟻なんか見ていないで、早く来なさい!」なんて言ったことはありませんか?

大人からみると蟻をずっと見ていて何が面白いのだろうと思うかもしれませんが、集団行動をとる蟻をよく観察するのはとても面白いものです。一生懸命に大きな餌を運ぶ蟻、幼虫を育てる蟻、監視をしている蟻など役割分担があります。

子どもがそれをどこまで理解して見ているのかはわかりませんが、動物、植物の動きを観察することは理科の学力アップの第一歩です。私も長く研究に携わってきましたが、物をよく観察することは仕事をするうえでとても大切なことです。動きの変化、個体ごとの違い、考え方の相違など、どれだけ多く気が付くことができるのかが仕事の成果に表れます。

2008年にノーベル化学賞を受賞された下村脩(しもむらおさむ)先生は、クラゲなどの発光生物の研究を50年もの間中断することなく続けたそうです。雲や草花なども、ただ見るだけではなく、大きさ、色、形など細かい部分まで一緒に観察してみると、きっと新しい発見があると思います。

発見は好奇心に繋がります。多くの研究者は、強い好奇心をエネルギーにして研究を重ねます。

もちろん、研究者だけが発見を必要としているわけではなく、勉強も発見する楽しさが増えればやる気が出てきます。スマホで簡単検索もいいですが、自分で見つける素晴らしさを少しでも手助けしてあげてください。自分から机に向かう時間が増えてくるかもしれません。

ここがポイント
いつもなんとなく見過ごしてしまう物ってたくさんありますよね。子どもの観察力はすごいです。忙しい中、ほんのちょっとの寄り道が子どもの探求心に火をつけます。大人でも新しい発見があるかもしれません。