◎改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS‒R)

長谷川式スケールとは、聖マリアンナ医科大名誉教授の長谷川和夫氏が、1974年に考案した知能評価(記憶力を見る)テストのことで、1981年に改訂され、その正式名称は「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」というものです。

このテストは、主に記憶力を中心とした認知機能障害の有無をおおまかに知ることを目的とした検査方法で、MMSE検査同様、実際の医療現場で広く使われています。我が国では利用例が多く、見当識、記憶など9項目からなり30点満点で評価されます。20点以下が認知症の疑いありとなっています。

アルツハイマー型認知症では1年ごとに平均2~3点下がってくるとされています。ちなみに、映画『明日の記憶』(2005年)で、精神科医役の及川光博さんが認知症患者役の渡辺謙さんに対して実施したペーパーテストは、この長谷川式スケールでした。

[図1]改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS‒R)

[図2]質問カードの例
「長谷川式簡易知能評価スケール」のテストにおいて、難聴者検査時に用いる質問カードの例。難聴者に対して検査をするときは、このような質問カードを見せて検査を行います。画像は、質問2と質問6の質問カード。
 
※本記事は、2018年5月刊行の書籍『改訂版 認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。