第二章 ADHDを治療すると希望が見える

知識のある愛が一番の支え

「発達障がいの子どもと向き合うためには何が一番大切ですか?」という質問を講演会場やクリニックで受けることがあるのですが、私は多くの場合、「療育という観点です」と答えています。

一般的に療育とは「障がいを持つお子さんが社会的に自立することを目的として行われる、集団および個別の医療と保育・教育」という意味で使われます。私は療育とは、「科学と心」だとある教授から教わりました。

お子さんを大切に育てたい、発達障がいを克服したいという心はどなたも一緒ですが、そのための知識(科学)がまだ浸透しておらず、悩んでいる方が多いのです。最新の知識を持って見守っていくことが、発達障がいのお子さんと向き合うためには、必要になります。

大前提として知っておいてほしいのは、繰り返しになりますが、発達障がいは治療ができるということです。特にADHDは、薬物治療と非薬物治療を組み合わせることで一段と効果を発揮します。