第4章 人の資産を“見える化”する

社会人基礎力を検証する

下の図1は社会人基礎力を大きく3つに分類したものです。企業で働く社会人に足りないのは、専門知識ではなくそれを生かす思考力、行動力、チーム力なのです。

この3つの力がなければどんなに優秀でも、その能力を生かすことはできません。高学歴で成績優秀であれば仕事ができるというわけではないのです。

[図1]社会人基礎力の3つのカテゴリー

社会人基礎力の3つの要素をさらに詳しく12の項目に分けたものが図2の表です。

[図2]社会人基礎力の12の項目

これら12項目の中で企業が日々苦労している項目を考えてみたいと思います。

この中で最も大切なのは行動力です。行動がなければ何も生み出すことはできません。どんなに高度な知識を身につけていても行動が伴わなければ結果をもたらすことはできません。

「指示待ち世代」という言葉で表現されるように、ものごとに進んで取り組む力が弱い人がたくさんいます。主体性のある人はいついかなるときにも自ら判断を行い適切に動くことができます。指示がなければ動けない人を主体的に動けるようにするためには、思考と行動をつなぐ仕組みをしっかり理解させる必要があります。