マンションの終焉処理に対する将来計画を持っていない分譲マンションは必ず漂流廃墟マンション化していく

分譲マンションのような全く見ず知らずの他人が、ひとつの建物の中にある各住戸を所有し、管理費や修繕積立金を拠出して、あてがいぶちの管理組合を結成し、共同で資産を維持していく訳ですが、建物や生活の運営は難しいものです。特に、現在の生活に関係のない事柄については無関心なのですが、自分たちの寿命に比べれば建物の寿命は少し長いために、大多数の区分所有者の『無関心』が、健全であった筈の新築当時の分譲マンションに無意識、無感覚に蝕まれていき、劣化が進むと、無意識の内に回復も解散もできない、浮遊する限界マンション(※4)になっていくのです。

言い方を変えれば、この分譲マンションの将来についての対応計画を持っていないことが、漂流廃墟マンションを生み出すのです。

悲しいことかもしれませんが、例外なく全ての分譲マンションも、このように年ごとに劣化していきます。区分所有者が変わっても着実に劣化していきます。将来計画を持つ以外は、例外なく浮遊限界マンションになっていきます。ここでも区分所有者は、将来のことは自分に直接関係ないので『無関心』には変わりはありません。

※4  浮遊限界マンションの定義:管理組合運営や建物管理が適正に行われておらず、改善や復旧の為の計画や人材及び資金もなく、ただ漫然と時間だけが経過している状態が続き、管理組合の解散や建物の解体もできない状態で浮遊する廃墟的な分譲マンション