第二章 釣りもアレも人間は新奇好き

ぢ主にオカマはつとまらぬ

ものの本によれば、この広い自然界において、動物のメスとオスの数の比率は一対一、つまり、ほぼ等比であることが多いという。

これを説明したのが「フィッシャーの原理」である。
これは、多くの生物で安定した性比が何故一対一になるのか、究極的な理由を説明した原理である。

多くの生物が雌雄の数を均等化し、バランスをとって安定化しようとする自然な均等化現象は、絶対的で融通(ゆうずう)性のないものではなく、気候の変化や様々な自然現象、戦争などの社会現象に応じて、メスが増えたりオスが増えたりするものと思われる。

もとより性の決定は性染色体の複雑な組み合わせにより決定されるものであるが、このメカニズムのさじ加減はまことに微妙で、メスにもオスの要素が、オスにもメスの要素が多かれ少なかれ、含まれるようになっている。

即ちメスなのにかなり多めにオスの要素を、反対にオスなのに多めのメスの要素を持っていたりもする。

これを人間の場合を例にとって説明すると、通常人間には四六個の染色体があるが、性を決定するのはその中の二個で、これを性染色体と呼んでいる。性染色体には二種類あり大きい方をX染色体、小さい方をY染色体と言う。

X染色体が二個重なった時に(XX)女となり、XとYが重なった時に(XY)男となる。