わたつみの魚鱗の宮よりたづねくる
 まれびとを待つここちこそすれ

*いろこの宮(魚鱗の宮) 海中にあるとされる宮殿。
**まれびと 客人。

 

待つほどに甲羅を負ひし海亀が
 のそりのそりと浜にあがり来

 

星のやうにふじつぼ甲羅に付着せり
 過ぎこし月日おしはからるる

*ふじつぼ 甲殻類フジツボ科。岩礁や船底に付着する。

※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。