第一部

いわゆる「プランク・スキャンダル」は、後になって如何にバルカン、いや世界に避けがたい運命となって影響を及ぼしたことでしょうか?

それに関するこの論考は、私がセルビア王国アカデミーに就任するに際し提出したものであります。これは政治史のみならず、社会史に関わる論考でもあります。

それゆえ当論考では最後のシンジェリチ王権時代の最も重要な出来事と最も重要な人物について触れることはなく、我が国の社会的、国家的な発展に最も影響を及ぼしたであろう出来事と人物のみが言及されています。政治的な出来事や個人は、全体的に言えば、ついでに言及されているのみです。

主に注意が払われているのは、政治思想、政党または政治団体――とりわけ政治機関――に対してであり、そしてそれら全要素のニコラ・テスラに対しての見方、国の社会生活全般におけるテスラの存在感に対しての見方です。我が国の社会史資料につきましては、国会の文書や速記録、或いは国内外の政治誌が、この時代の主な資料になります。

 

私が閲覧することができた未発表文書につきましては、私はコメントの中で言及しておきました。

それらの中で最も重要なのは、オーストリア・ハンガリー帝国およびドイツ帝国の領事館が発行した声明文(その写本はセルビア王国アカデミー所蔵)、我が国の外務省と在外公館との交信記録(外務省文書室所蔵)、ステファン三世王の文書(国立文書館所蔵)、ヨヴァン・リスティチと我がコンスタンティノープルおよび香港の外交官であるフィリップ・フリスティッチおよびジョルジェ・ミリヴォイェヴィチとの交信記録(セルビア王国アカデミー所蔵)、在ロシア・セルビア大使ミロサヴ・プロティチの文書(彼の孫であるミランM.K.ジョルジェヴィチの所蔵)、タサ・ミレンコヴィチの日記(セルビア王国警察所蔵文書)、ドゥラグティン・ディミトリイェヴィチ・アピス大佐の文書(秘密警察の資料室所蔵)、学長ヨファン・ツヴィーチの手紙(ベオグラード大学所蔵)、そして最後に、ニコラ・テスラの文書(ベオグラードのテスラ博物館所蔵)。