炎天の街路は続く家いへの
差し出す日陰をひろい歩まむ
一つが鳴きいっせいに鳴く あぶら蟬
森をゆるがす声のはげしさ
花薊、棘あるゆゑに摘みかねし
忘れねば そのむらさきを恋ふ
※本記事は、2018年11月刊行の書籍『歌集 風音』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 風音【第14回】
何気ない日常にある幸せを探しに。
優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。
炎天の街路は続く家いへの
差し出す日陰をひろい歩まむ
一つが鳴きいっせいに鳴く あぶら蟬
森をゆるがす声のはげしさ
花薊、棘あるゆゑに摘みかねし
忘れねば そのむらさきを恋ふ