炎天の街路は続く家いへの
差し出す日陰をひろい歩まむ

 

一つが鳴きいっせいに鳴く あぶら蟬
森をゆるがす声のはげしさ

 

花薊、棘あるゆゑに摘みかねし
忘れねば そのむらさきを恋ふ

※本記事は、2018年11月刊行の書籍『歌集 風音』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。