ろうろうと忠通の声がとほりてここに宣命読みあげられる
耳たてて聞き分けをれば「皇太弟」体仁に譲位せられたりと
*宣命の文言は、「皇太子」体仁に、とあるべきところ、「皇太弟」体仁に、となっていた。
崇徳帝動悸はげしくさけびたりちがふちがふそれはちがふと
※本記事は、2013年2月刊行の書籍『花と散りにし』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。
花と散りにし【第13回】
平安末期、国を二分する戦いが起こった。それは保元の乱と呼ばれる戦乱であり、古代から中世へと、貴族政治から武家政治へと時代を切り拓いていく端緒となった。
この乱の原因である天皇家と藤原摂関家の内紛から崇徳院の配流という結末までの経緯が詠まれた創作短歌を連載でお届けします。
ろうろうと忠通の声がとほりてここに宣命読みあげられる
耳たてて聞き分けをれば「皇太弟」体仁に譲位せられたりと
*宣命の文言は、「皇太子」体仁に、とあるべきところ、「皇太弟」体仁に、となっていた。
崇徳帝動悸はげしくさけびたりちがふちがふそれはちがふと