一方、リスクマネジメントマニュアル作成指針はどうなったのであろうか。

2012年10月26日、田原克志医事課長により、本通知は、国立病院等を対象に出されたものであり、一般の医療機関を拘束するものではないという発言が得られた。

本来、「国立病院等を対象」と明示されていた通知ではあったが、実際上、全医療機関対象と考えられていたものであり、この田原課長発言は大きな意味を持つものであった。民間医療機関が対象外であることが明示されたのである。その後、どうなったのか。

2015年(平成27年)7月3日日本産婦人科協会の質問に対し、厚労省医政局医療経営支援課は次のように回答している。

① 国立病院等の独法化に伴い、国立病院リスクマネジメントマニュアル作成指針は失効している。(国立病院・療養所は2004年4月1日独法化、国立高度専門医療センターは2010年4月1日独法化)

② 厚労省は各医療機関の自主性に任せており、指導はしていない。国立病院等は独法化され、国立病院等でなくなったため、国立病院等に対して出された通知(リスクマネジメントマニュアル作成指針)は既に失効しているとの厚労省見解であり、リスクマネジメントマニュアル作成指針は、行政的には解決済みということである。

リスクマネジメントマニュアル作成指針の失効を理解していない医療機関が存在するようであるが、院内のマニュアルは医療機関の自主性によるものであり、自己責任であると厚労省は明言している。

警察届出等を記載してあるマニュアルによるトラブルの結果は管理者たる院長に責任があるという意味である。読者病院の院内マニュアルは改訂されているであろうか。早急に改訂の必要があろう。

院内マニュアルの改訂を含め、管理者の責任は大きい。将に、管理者能力が問われているというべきである。