第4章 人の資産を“見える化”する

未来力をはかる

未来力の計測をする前に定義を明確にしておきたいと思います。

未来力とは、人材を育成するための教育計画に基づいて得られることが予想される将来の利益です。

[図1]人の資産づくりの期首計画バランスシート

来期の計画を立てるに当たり、仮に上の[図1]上部のように期首のバランスシートを作成したとします。ここで教育効果7倍を想定した教育計画を投入し、BS−1からBS−5までの各金額を記載します。

人の資産・負債勘定を記載したバランスシートは[図1]下部のようになります。人の資産が負債金額を上回り未来力を生み出しています。

人の資産化のため行った教育が7倍の効果を出したことにより、1792万7000円の資産を生み出しています。しかし、契約社員や派遣社員への依存により413万7000円の機会損失が発生し、専門知識のメンテナンスを怠ったことにより360万円の損失を発生させています。

さらに、流動負債として新入社員500万円、メンタルケア社員・短期が86万2000円となっています。

人の資産に焦点を定めたとき、積極的な教育だけではなく、正社員、派遣社員、契約社員の全体を見渡しネガティブな側面も併せて考えなければならないことがわかります。さらにメンタルケアを必要とする社員を出さないようにしなければなりません。

もし、ここで長期メンタルケアが必要な社員が出て、固定負債の例に挙げたBS−6「人の固定負債(メンタルケア社員・長期)」500万円を計上することになれば、ここに記載されている432万8000円の未来力は消し飛んでしまうことにもなりかねません。いかにメンタルケアが大事かわかります。 

[図2]メンタルケア社員を出さない期首計画バランスシート
※本記事は、2020年1月刊行の書籍『確実に利益を上げる会社は人を資産とみなす』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。