重要事項16 行動規範と感性認識─善悪、その根本的考察

善には狭義の善と広義の善があります。前者は道徳・倫理を含む行動規範の善悪に関わり、後者は行動規範に加え、その他の善や美を含む感性認識及び愛などに関わる善なるもの一切を含む概念を意味します。

我々人間界における広義の善(悪)とは、神仮説によっても、神や宗教に属する概念ではなく、この宇宙において唯一人間という生命体にのみ属する概念であるよりほかのものではありません。

この重要事項に至る考察は以下のとおりです。

善悪、その根本的考察

この考察は行動規範についての考察ですが、善悪の考察という題名になっています。そうしたのは、善悪によれば説明も理解も容易であろうと思ったのがその理由です。従って、善悪を、道徳と読み替えれば道徳の考察になり、倫理と読み替えれば倫理の考察になります。

又、感性認識の善や美につきましては、「善悪適用対象者」を「善・美の認識者」に、「適用善悪」を「認識する善・美」と置き換えればそれらの考察になります。下記(2)の宇宙に普遍の絶対的善悪の研究をご覧ください。

(1)宇宙に普遍の絶対的善悪

「宇宙に普遍の絶対的善悪、例えば、いわゆる神の善悪があり人類はこの善に向かって近づくべきである」という思想があるとすれば、それは正しい思想のように見えるかもしれませんが、実践不可能な空しい思想です。

なぜなら、仮にそのような善悪があるとしても、残念ながら我々人類は、それを知らないからです。従って、それは人類にとって何の役にも立たない無用の長物でしかないことになります。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『神からの自立』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。