そんな幸せな日々に突然暗雲が立ち込めます。退院から約2ヵ月が過ぎた4月4日に「緊急入院」することになったのです。

その前の週の金曜日から下痢ぎみで、最初は「急に寒くなって、お腹を冷やしてしまった」と思っていたのですが、身体を温めたり安静にしていたりしてもなかなか改善しませんでした。

その後の2日間も同じ状態が続いたので月曜日に病院に行きました。主治医の先生に診てもらったところ、
「これは、移植後のGVHDの一つと思われます。詳しく検査をして対応するために入院してもらいます」
と言われてしまいました。

しかし、入院した直後から処方された「ステロイド」(薬)が効いたようで、下痢が治まりつつあったので病院内を歩いたりエアロバイクを漕いだりと精力的に活動していました。

主治医の先生からは「最悪の場合は1ヵ月くらい入院することもあります」と言われていただけに心配していましたが、約1週間で無事に退院することができました。

自宅療養で少し生活が乱れてきていたので、ここで「もう少ししっかりと自己管理しなさい!」と神様に言われたのかもしれません。

白血病治療は入院期間が長く、抗がん剤による副作用などの影響で運動する機会が少なくなり、入院中に筋力の低下が多くみられるようです。

私の場合は、入院中でもわりと運動トレーニングをしていたほうですが、それでも筋力は6割程度まで落ちていました。

そこで、筋力を回復するために「自転車トレーニング」を行っていましたが、4月下旬には長い距離を走ることができるようになったので、実際に走ったコースを見てみましょう。

〈山科から宇治・平等院コース〉
自宅を出て、丸太町通りを東に向かって走り、鴨川を過ぎて東大路通から岡崎公園方面に曲がり、平安神宮・南禅寺を通って、山科へ峠道を越えました。この峠道(三条通)が結構きつかったです。

山科に出たら、京都外環状線を南に下って、醍醐道に入って醍醐寺に寄り、そのまま南に下って六地蔵から宇治まで走りました。宇治では、お昼に抹茶そば(ニシンそば)を食べました。とてもおいしかったです。

その後、宇治橋を渡って南側にある平等院を見学しました。平等院は藤原氏ゆかりのお寺で、10円玉の裏側に描かれている鳳凰堂が有名です。

帰り道ですが、今度は宇治川沿いの道を北向きに走って、伏見の中書島に寄りました。ここは、月桂冠や黄桜など日本酒の酒造メーカーが多くあります。

ちなみに、私が好きな日本酒の銘柄は『英勲』です。特に純米吟醸の『古都千年』はすっきりとした口当たりで、冷やで呑むのがおいしいお酒です。

さらにこのあたりには、坂本龍馬の襲撃事件で有名な「寺田屋」(旅館)もあります。

中書島を出たら竹田街道を北に向かい、水鶏橋を渡って大宮通を北に。途中の東寺を見て、京都水族館を左に曲がり、西大路に出て、さらに北に走って自宅に戻りました。

時間は4時間30分とかかりましたが、いろいろな名所を見ながらサイクリングできるので、楽しみながらトレーニングすることができました。

※本記事は、2020年5月刊行の書籍『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。