第一章 発達障がいに悩む人たち

学校に行けなくて困っている子どもたち

それでは次に、起立性調節障がいについてです。身体的な要因の自律神経失調症の一種であり「立ちくらみ」「乗り物酔い」「朝礼で倒れる」「朝起きるのが苦手」「頭痛、腹痛」といった症状が現れます。発達障がいと起立性調節障がいが併存すると、不登校になりやすいと言われています。

もちろん、どちらか一方の症状によって、不登校になっているお子さんもいます。

多動や衝動的な行動というADHDの症状によって、学校でも怒られ、自尊心が傷つけられ、友達もいなく、楽しいことがなく、さらに自閉スペクトラム症の症状によって引き起こされる、自己中でマイペースな行動から、もう学校なんか行きたくないと結論づけてしまいます。

それに起立性調節障がいの頭痛と朝起き不良が加わることにより、翌朝目が覚めていても「登校するのが嫌だ、面倒」ということになり、結果として不登校になりやすいのです。

私のクリニックでは、15分間立たせて脈拍、血圧、心電図を測る起立テストを補助検査で行い、診断を確定します。

起立性調節障がいのチェックリストをもとに診断できれば、薬で治すこともできますし、意識的にスポーツをするなどの予防策を講じて悪化を防げます。しかし、起立性調節障がいを診断しない小児科医は多いですし、発達障がいが併発していると、見逃されやすいのです。それとなしに水を向けて検査してもらうのが良いでしょう。

これまで見てきたように、自律神経失調症と自閉スペクトラム症が原因になっている場合でも起立性調節障がいが原因の場合でも、不登校を解消するための治療は可能です。2つに共通していえることは、不登校のサインを見逃さないことです。

不登校の早期発見のサインとしてはいわゆる「登校しぶり」という状態があります。読んで字のごとく、学校に行くのを必要以上に嫌がる症状です。早いお子さんは保育園や幼稚園の頃から現れ始めます。

その時、親御さんの多くは、「自分の子はただわがままで行きたくないと駄々をこねているのだ」と勘違いするのですが、自閉スペクトラム症や起立性調節障がいが潜んでいることもあるのです。