第二章 自宅介護の知恵と工夫

一、通院で良しとした夫の無知…地域包括センターに相談。ケアマネ決まる

私は、認知症を普通の病気と同じように考えていた。医師の指示通り、予約を取り診察を受け薬をもらうことを繰り返していれば良いと思っていた。また、妻が認知症と人に知られるのも避けたかった。身内以外、誰にも言わずに数カ月間、苦労をしながら自宅介護を続けていた。

ある日、妻を良く知る親しい友達に会った。

「奥さん、お元気ですか」
と聞かれた。そのとき、初めて認知症だと人に伝えた。

「えっ。あの明るい奥さんがですか? 可哀想に。現在、要介護は何番ですか?」
と問われた。

「えっ、要介護って、何?」
と聞き返した。介護保険制度について、私は全く無知だった。妻にすまないと思った。彼の母親が、認知症で、その知識は豊富だった。

「棚橋さん。介護保険の手続きは、していないの?」
「していないけど? どうして?」と尋ねた。

「何してんの。早くしてあげないと、奥さんが可哀想だよ」
と指摘されいろいろと詳しく教えてくれた。