全身に月のひかりを浴びながら樹々たちすべて背伸びしている
月光のあまねく空を泳ぎたりもう一人のわれに出会いたくって
青白き月の光と口笛と交信しつつ流れつづける
※本記事は、2015年3月刊行の書籍『歌集 祈り』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 祈り【第1回】
―ああだから月はみんなに愛されるんだ自分ひとりを見てる気がする―
夜明けに人知れずそっと咲く花のように、
それでいいんだよ、と許してくれるような、
自分のかわりに、幸せを願ってくれるような。
心に灯りをともす、優しくあたたかな短歌を連載にてお届けします。
全身に月のひかりを浴びながら樹々たちすべて背伸びしている
月光のあまねく空を泳ぎたりもう一人のわれに出会いたくって
青白き月の光と口笛と交信しつつ流れつづける