溝口:これは医者に限らずスポーツ選手や一般の人にも言えることです。性格一つでその人の人生も大きく変わってきます。女優さんの世界も同じだと思いますよ。それくらい性格や発想力というものは大事です。まあそれ以前に、最初からすぐに「無理だ」とか「できない」などと諦めてしまう人は何をやっても大きなことはできないと思います。そういう意味では、医者にかかる時は性格も要チェックですね。

中村:そういえば、先生が創設したスマーツメディカル陸上部の監督兼選手である小林大樹さんも「先生はどんなに困難なことでも、最初から絶対にできないとか無理だとか言わない人です。陸上のことではあまり口出ししませんが、所属選手たちが最初から無理だとかできないとか言ったときはめちゃくちゃ叱られますけどね」とおっしゃっていました。

溝口:あぁ、そうですか。ならば弊社に陸上部を作った甲斐があったというものです。医者も同じで、最初から高齢者の患者に「もう年ですから」「高齢だから仕方がないですね」などの発言をする医者は、きちんと検査をして痛みの原因を徹底追及する気がないか、治す術を持っていないかのいずれかです。

もっと辛辣なことを言わせてもらうと最初から治す気がないんです、高齢者の膝だからってね。レントゲン、痛み止め(注射か薬)、湿布の“治らない三種の神器”で適当に通院させる。あとは、高齢者だからといって完全になめきってる。大体このような理由で先の言葉を平気で吐いてしまう。

そして、これは開業医によくあることですが、最後まで面倒を見ようとする気がないということ。その理由は先に述べたように、紹介状という存在にも問題があります。

※本記事は、2019年4月刊行の書籍『ゴッドハンドが語るスポーツと医療』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。