俳句・短歌 四季 歌集 2020.10.19 歌集「旅のしらべ・四季を詠う」より三首 歌集 旅のしらべ 四季を詠う 【第23回】 松下 正樹 季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める 最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 若竹の葉末をゆすり吹く風の 涼しき夏のまためぐりくる 立ちまじる竹の林に若竹の 青くつやめく幹まぎれなし 改行2行取り 若竹の節ぶしの間の内側は 筒のやうにてきよらかなり
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『ザ・総選挙』 【第22回】 利根川 尊徳 「最初から結果が分かっている事の方が選挙としておかしいもの」武藤は呟いた 誰一人として抜け駆けする事なく「そんな姑息な真似はしません!」と口を揃えたのに対して、与党と野党の候補者は、当初は「私も小選挙区一本で挑みます」と威勢のいい事を口にしていたのだが、マスコミの情勢分析が進むにつれ、「私は折角の有り難い制度ですから使わせて頂く事にします」と小選挙区で日本民主保守党公認候補と当落を争う選挙区のライバル候補者達が、最初は使わないと言っていた重複立候補制を使うと言い出して…