そこは、古い倉庫をベースにして作られたダンスフロアー。例えば六本木あたりのお店なら、専用のパーキングなんか絶対に存在しないけれどこの、Ys BAY SIDE CLUBは、車以外の交通手段を使って来場するゲスト達を拒んでいる。そんなふうに思えるようなロケーションに、位置している。

だから、お店のエントランス周りには、信じ難いほど広いパーキング・スペースが用意されている。考えてみれば、このお店はおそらく日本最大のダンスフロアー。交通の便が良い街中に、同じものを作ることは絶対に不可能。

Ys BAY SIDE CLUBの駐車場からは、出来たばかりの横浜ベイ・ブリッジが視界いっぱいに映る。キラキラと、眩く揺れる横浜港のイルミネーションは、ダンスフロアーで輝く躍動感のある光線とは全く別のもの。

音のない場所で、ゆっくり観るにはこの場所にあるイルミネーションは最高だ。よーく耳を澄ませば目の前にある海から、堤防に打ちつける波の音。

心地よいリズムを伴ったそれが、聞こえる。2人は、しばらく駐車場から真夜中の海のロケーションに、ドップリとハマッテいた。

「お客様、Ys BAY SIDE CLUBへようこそ」

※本記事は、2017年9月刊行の書籍『DJ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。