はじめに

初めまして、織田泰彦と申します。静岡で生活をしています。今回エッセイを出版することになりました。

「レックレス」とは(向こう見ずな)という意味です。中学生の時に憧れていた、ブライアン・アダムスというカナダ出身のアーティストのアルバムにレックレスというタイトルが付いていました。

その当時から、私は普通の生活ができませんでした。幼い頃から自分のやりたい放題を繰り返し、親に迷惑ばかりかけてきました。自分のやってきたことを振り返り、レックレス(向こう見ずな)というタイトルは、私のライフスタイルにぴったりな題名だと思って付けました。

今回、執筆するにあたって意識したことは、何度繰り返し読んでも飽きのこない「文体」です。自分でも未だに自分の書いたものを繰り返し読んでいます。日記を書き始めたのは2005年からで、以後毎日今日にいたるまで10年以上書き続けています。

自分の書いている文章がものになったと思ったのは、2011年の9月8日から。覚せい剤のような中毒性のある文体にたどり着きました。40才の誕生日を過ぎた次の日からでした。高校時代に読んだ、村上龍さんの小説、エッセイに衝撃を受け、いつかは作家になりたいという強い思いだけで、毎日描写を続けてきました。

今回は2012年に書いたエッセイを発表することになりました。最後まで飽きずにお付き合いいただけたらと思います。

私は40才の誕生日の次の日まで、生きていて後ろめたいことばかり考えており、なかなか前向きな気持ちになることはありませんでした。会社で働いたことももちろんあります。作家になりたいという夢はありましたが、自分には才能がなく作家になるなど夢物語だと、書いていて何度も諦めました。

そんな私が勇気をもらったのは、実は本ではなく音楽でした。

2011年の6月22日に、働いていた会社を休んで渋谷のNHKホールに矢井田瞳さんのライブを見に行って人生観が変わりました。その日は2011年の東京初の真夏日で、気温は30℃を超えていました。