繰り返します。教育で身につける“知識”。訓練で身につける“技能”。実務で身につける“応用能力”。この3つを持つことで初めて、“力量”があると言えるのです。人を教育するとき、簡単に“力量アップ”という言葉で表すことがありますが、単にボヤーッとした認識で“力量”をとらえ、机上教育でごまかすようではダメです。

人を教育するには“知識”、“技能”、“応用能力”を区別して、これら3つの能力の中で何れの力を伸ばす必要があるのか、しっかりと見定める必要があります。そうすることで、目的に合致する教育を効果的に行うことができます。

ヒューマンエラーが発生したときにも、“力量不足によるもの”と中途半端な認識で、単に机上教育を行う場合がよくあります。しかし、そのような通り一遍の方法で教育を実施しても一向に状況は改善されません。

その理由が、先ほどのヒューマンエラーを発生させた原因が“当人の知識不足によるものなのか”、“技能が充分でなかったからなのか”、“経験を含む応用力が不足していたのか”、はたまた“それらのいくつかが絡んでいるものなのか”を区別することなく教育を行ってしまったからなのです。

必要なことは、どのような教育を行えばヒューマンエラー防止対策としてより効果的なのかをしっかりと見極めることです。

ヒューマンエラーの発生原因を“しっかりと分析”し、エラーの陰に潜む“弱点”を見つけ出し、教育によりその弱点を“強化”する。この3つを確実にすることが、効率よく教育の効果を挙げる唯一の方法です。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『 ヒューマンエラー防止対策』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。