その後の三日間は、以前泊まったホテルに泊まりました。幸いにも給料日の後で助かったのでした。

節分の日。職場の親睦旅行がありました。迷いながら決心し、参加することにしたのです。

結婚以来、仕事以外で泊まる旅行は、初めてです。長男が「楽しんできなよ」と、出がけに言ってくれました。

涙ぐましいほど優しい息子です。数日後、「大事な季節の節目である節分なのに、自分勝手な行動をして家を空けて、主婦が務まるのか!」とすごい剣幕です。

このままだと暴力が始まり危険だと、咄嗟に逃げようとしましたが、またしても捕まってしまいました。この頃は、一人ではもうどうにもならなくなっていて、大声で長男に助けを求めていました。

長男が取り返してくれたバッグとコートだけを持って、私は、着の身着のままで夜の街の中へ飛び出して行きました。

給料日には間がありお金もありません。これからを考えると、職場の鍵を持っていましたので、「職場に泊まらせてもらおう」と向かいました。

鍵を差し込みましたが、鍵穴に入らないのです。何ということでしょう! 彼に、キーホルダーの鍵を違う鍵と替えられていたのです。

仕方なく以前のホテルに泊まりました。この翌日、ある事件が発生したのですが、その事件と後日もう一回遭遇した事件のことはさすがに書き綴ることはできません。これらの事件は、逆に私に決心をさせてくれることになったのです。