血の滲むやうな鰹を食ひたりて
唇なまぐさき五月はじめは
紫陽花は散らざり褪せてゆくやうに
人はすなほに生きて老ゆべし
どくだみの十文字を描く白花の
すがしさに惹かれわれは寄りゆく
*どくだみ 四弁の白い花。
※本記事は、2018年11月刊行の書籍『歌集 風音』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 風音【第11回】
何気ない日常にある幸せを探しに。
優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。
血の滲むやうな鰹を食ひたりて
唇なまぐさき五月はじめは
紫陽花は散らざり褪せてゆくやうに
人はすなほに生きて老ゆべし
どくだみの十文字を描く白花の
すがしさに惹かれわれは寄りゆく
*どくだみ 四弁の白い花。