つまり、膠原病や関節リウマチでは、免疫の向かう方向がおかしくなって体の中を攻撃しているのです。

免疫の向かう方向を是正することができれば、このような病気が治療できるはずですが、どうしてそのような異常が起きるのかはまだ十分に分かっていませんので、このような治療法はまだ実現していません。

現在行われている多くの治療法は、この違う方向に暴走している免疫自体の力を弱めて、被害を少しでも食い止めようとするものです。つまり、「免疫抑制」がこのような病気の治療の基本です。

膠原病や関節リウマチでは、ステロイドやメトトレキサート、生物学的製剤がよく使われ、病気の鎮静化に非常に効果がありますが、その効果の多くはこの免疫を抑止することによってもたらされています。

よく、「免疫力をあげると良い」と思っている方がおられますが、膠原病や関節リウマチの治療では逆の結果になることをご理解いただきたいと思います。ただし、免疫抑制治療を行うと、本来の免疫の作用でもある外界からの病原体に対する抵抗力も少なからず低下する可能性があります。

また本来は害のないような弱い病原体が体を害する「日和見感染」なども起こることがあります。

したがって、このような疾患で治療を受けている人々は、感染には十分に注意していただき、ワクチンを接種する、人混みではマスクをつける、うがい・手洗いを励行する、などの注意が必要です。

また体力を維持するために栄養を十分に取っていただくことも大切です。これらの具体的な注意については別の機会に書きたいと思います。

今年はことのほか寒い日々が続いているようです。お風邪を召されませんように、十分にご注意ください。

※本記事は、2019年1月刊行の書籍『リウマチ歳時記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。