私は一番下に少々のライスを盛って、サラダライスとして食べています。但し、ライスは熱々のものではなく、少し冷えたライスを盛った方がいいですね。冷えたライスを食べると大腸に直接届きやすくなりますし、その結果腸内環境や脂質代謝の改善につながります。さらに血糖値の上昇も抑えてくれるので、糖尿病患者にもいいと思います。

ですから、このレジスタントスターチを利用しない手はないでしょう。レジスタントスターチとは食べた物が小腸まででは消化されず、わかりやすく言うと、そのまま大腸まで届き内臓脂肪の増加や体重増加を抑えたりする効果が期待できると言われています。

レジスタントを和訳すると「消化されない」、スターチを和訳すると「でんぷん」と言い、難消化性でんぷん、耐性でんぷんとも呼ばれています。また冷えたライスを食べるとミネラルの吸収を促進してくれます。

中村:私も実践してみます。私的な質問で申し訳ありませんが、鉄分の摂取方法を教えていただけると嬉しいです。以前、私は少し貧血気味だったのですが、お医者さんから「牛乳なんかを飲んで鉄分を摂るようにしてください」と言われたことがありますが、あまり効果がなかったものですから。

溝口:医者の栄養学は受け売りが多いということはそういうことを言うんです。ほとんどの医者が「鉄分は牛乳、レバーなどで摂りましょう」「カルシウムは牛乳で摂りましょう」ってね。

牛乳の中にはカゼインというタンパク質が入っています。このカゼインが体内で処理されない場合は皮膚の表面にアレルギー皮膚炎(アトピーなど)として噴出してきます。普通、赤ん坊は1歳から2歳くらいまで粉ミルクを飲みますよね。

3歳くらいまでは、牛乳を消化吸収できるのですが、3歳以降になると、牛乳に含まれる乳糖を分解してくれる酵素が不足してきます。ですからその後に飲用するのは賢明ではありません。おまけに日本人の腸は欧米人よりも長いため、余計に消化吸収をしにくくなります。

それと、乳牛の搾乳に関しては様々な問題を抱えています。部品の製造工場と同じで短い時間でたくさんの搾乳量を獲得しなければなりません。そのためには人工的な成長ホルモンを多量に投与する。当然、血中のエストロゲン濃度が高くなり、エストロゲンの成分も多くなります。よって、性ホルモン系のガン罹患率も高くなると言われています。

それでも鉄分やカルシウムを摂取するためにわざわざ牛乳を飲みますか? 鉄分は豚のレバーや枝豆、小松菜からでも摂取できますし、カルシウムは小魚やヒジキなどの海藻、豆類からでも摂取できます。わざわざ牛乳を飲まなくても……。

中村:言われてみると、そうですね。

※本記事は、2019年4月刊行の書籍『ゴッドハンドが語るスポーツと医療』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。