⑪ 世話焼き行動

振り返り見た時、私の行動の数々は、「世話焼き行動」だったのかもしれませんが、以前から「行動」していたことが結果に結びついていたのだと今、感じています。

平成四年の夏、長男の就職活動の時のこと。長男はその頃、両親を信用できなくなっていたのでしょう。何の相談もなく民間の会社に就職先を決めていました。私は息子の性格から民間商社でやれるのか心配でした。

万が一を考えて、国家公務員試験を受けるよう勧めましたが動こうとはしません。国家公務員試験の申込期日が迫っていましたので、私が人事院に行って願書をもらい、「書いて出すように」と、本人に渡しました。私には言いませんでしたが、長男は試験を受け、合格していたのでしょう。各省庁からパンフレットが届いていました。

その頃、景気が傾いてきていました。自分でも民間への就職を危惧していたのでしょう。自分で学校の先生に話して、民間商社をお断りして、公務員の道を選んでいたのです。

平成七年の秋、彼ともう一度やり直すため家に戻った頃でした。次男が、丁度大学進学を決める時期でもあり、その時に家に戻れたのですから、それも、今にして思えば、不思議なことです。見えない力に導かれていたように思います。

ちょっと、横道に逸れますが、この「見えない力に導かれて」ということを、その後読んだ本の中でいろいろな方が、そのことを感じられているように記されていると思えます。

稲盛和夫さんの『人生の王道』、北尾吉孝さんの『何のために働くのか』など。松下幸之助さんもそのような趣旨のことを色々な本の中で述べています。その中の、松下幸之助さんの『素直な心になるために』は、とても心に響いてくるものでした。

さて、次男は、私立高校の系列大学の統一テストにより、推薦入学を予定していました。担任の先生にも「息子さんは学部を選ばなければ大丈夫です」と言われていましたが、なぜか統一テストに大失敗し、推薦を受けられませんでした。今更一般入試は難しかったのです。