その原因は“教育が不充分であった”、“教育は受けたが忘れてしまった”、“予めルールを確認することを指示されていたがそれを怠った”など、理由は様々でしょう。何れにしても、その場合はルールの理解を促す必要があります。

注意しておきたいことは、このような状況がみられる場合には、他のメンバーについても同じ傾向があることです。もし、全体としてそのような傾向があるのなら、全体を通じての教育方法の見直し、ルールの改訂など、問題となる部分を見つけ出し改善する必要があります。

2つ目は、ルール自体に問題が見つかった場合。その場合は、当然ながら速やかな問題解決が必要です。ルールの中には、現実性が低く、ルール通りに仕事をすると、手間と時間ばかりが掛かるものが少なからずあります。

かといって、それがルールならば無視するわけにはいきません。それが必要ならばやむを得ないことですが、変更できるのであれば速やかに改訂すべきです。

3つ目は、必要とされるルールそのものが、つくられていない場合。ルールというものはあるだけで少しわずらわしく感じるものですが、本来活動を円滑に進める潤滑油的な役割を果たすものです。

ある程度人の力量の差を埋める働きもあります。さらには、各自の活動に対し余分な負担を掛けないという効果も期待できます。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『 ヒューマンエラー防止対策』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。