民間の保険以外にも「高額療養費制度」などがあります。

「高額療養費制度」は、公的医療保険制度の一つで、医療機関や薬局でかかった医療費の自己負担額がひと月単位で一定額(年齢や所得に応じて決められます)を超えた分の金額が支給される制度です。私もこれを利用したのでだいぶ助かりました。

ただし、差額ベッド代や先進医療など保険適用外の医療費などは支給されないので気をつけてください。申請や詳しいことは、ご自分が加入している公的医療保険や厚生労働省のホームページで確認してみてください。

また、長期入院になる場合にはその間の収入も問題になります。会社員や私のような私立学校の教員も同じですが、休みの期間が一定の期間を過ぎると「休職」となり、その期間は給料が支給されなかったり、大幅に減額されたりします。

私の場合は、私立学校の専任教諭だったのでだいぶ恵まれていて、傷病による欠勤が1年を過ぎてから「休職」の扱いとなり、標準報酬月額の20%が支給されました。

さらに、私学共済に加入しているため、「傷病手当金」(標準報酬月額の約80%までを補填)が支給されるので一定の生活費は保障されました。有期雇用の方や自営業の方などはそのような仕組みがないので、「就業不能保険」に入っておく必要があると思います。

さらに、子どもが私立学校に通っている場合で、長期入院などの影響で親の収入が極端に減って学費が支払えなくなる場合には、日本育英会や私学振興会などの奨学金があるようなので調べてみるとよいと思います。

ちなみに、私が所属していた学校では教育振興会という組織があって、そこで病気などの長期入院で収入が減った保護者の方への支援を行っていました。そのような場合は、それぞれの学校の教員に相談してみてください。

※本記事は、2020年5月刊行の書籍『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。