疑いだけが頭の中でどんどん膨らむ…

4月15日にも雄だけ4頭捕獲されていることがあったので、捕獲したすべての場合について調べてみた。雄と雌が分かれて行動しているのなら、捕獲具ごとに分かれて捕獲される場合が多いのではないかと思ったからだ。雌と雄が分かれて捕獲される傾向があるように見えたが、ほぼ同数の場合もあり、はっきりとした偏りはなかった。

点検から次の点検まで2日空いているため、その間のハツカネズミの行動については分からない。疑いだけが頭の中でどんどん膨らんでいって頭から離れなくなった。この謎については、後で詳しく謎解きを行っているので、記憶しておいて頂きたい。

この日に入り口の高さが30mmの改良型の捕獲具が出来上がったので、すぐにすべての仕掛けを入り口高30mmの物に交換した。すると、その後の捕獲状況に変化が起きた。5月17日。3日後回収した捕獲具内でとても興味深い様子が観察された。

1つの捕獲具に入っている2頭の雄についてである。小さい雄1頭(10.4g)が、死んではいないのだが衰弱して動かなくなり、毛は逆立っていて丸くなり座ったままであった。

これはドブネズミが死んだ状態で捕獲されたケースとよく似ていて、手の平に乗せてみても動こうとしない。今回と同様に、衰弱しているように見えた個体例が1例あるが、こちらは手を出すと逃げようとした。もう1頭(20.7g)はというと、すごく元気に走り回っている。驚いたことに、その1頭は、片目がつぶれて平坦になり、表面が白く濁った薄い膜で覆われていた。

続く…

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。