第1章 思いもよらない事態

その3 保険は大事ですね
─保険こそ、みんなからの支援です─

こういった基本的な治療そのものにかかる費用のそのほかにも、いわゆる「差額ベッド」(個室の利用費用)や入院雑費(シャンプーや紙おむつなど)がかかります。実際に、私の場合で見てみると次のようになりました。

金額は2015年8月の例です。

・健康保険制度による治療費……約20万円
 (高額医療費制度を使っての額、人により下がる場合もあり)
・先進医療や自由診療による治療費……約10万円
 (未承認の薬を使っているためです)
・差額ベッド(個室利用料)……約50万円(1日16000円×31日)
 (クリーンルーム個室なので通常より高い金額になります)

「これって、全部足したら、毎月の給料よりずっと高いじゃないか!」
「安心してください、入っていますよ」

とにかく明るい安村さんの言い方を真似ていますが、そうです、ここから「保険」のお話です。

私は、結婚したときから「医療保険」に加入していて、その医療保険のなかに「がん特約」を付けていました。これが良かったのです。おかげで「がんと診断された場合、200万円の一時金が支給される」ことになります。さらに、入院費用については「1日あたり1万円支給(60日まで)」が付いていました。

この保険から支給される額で、金銭的に負担のない状態が約3ヵ月は持ちそうでした。ほかにも手術や治療行為に対しても保険金が支払われるようなので、実際はどのくらいまで出るのか請求してみないとわからないですが、いずれにしても、入院してから3ヵ月後には、大部屋に移るか貯金を切り崩すかの判断が迫られそうでした。

テレビCMで「がん保険」について、タレントさんが「めちゃくちゃ大事」と言っていますが、本当に入っていて良かったと実感しました。現在の「がん保険」では、「先進医療」や「自由診療」にも対応したものがあるので検討してみたら良いと思います。その分、一時金は100万円かもしくはないものが現在は主流のようですので、そのあたりの詳細はご自身でしっかり確認してください。