雲ひくき梅雨空のもと枇杷の実の
こぞりて明るき色に熟れくる
田を守る神のごとくに白鷺の
首すくと立て青田あゆめり
*青田 季節としては、六月から七月ごろになる。
竹煮草たかくのび立ち暑き日を
猛だけしさに群だちそよぐ
*竹煮草 ケシ科の多年草で、高さ二メートルほどになる。七月、陽当りのよい荒地に咲く。
※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 旅のしらべ 四季を詠う【第20回】
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
雲ひくき梅雨空のもと枇杷の実の
こぞりて明るき色に熟れくる
田を守る神のごとくに白鷺の
首すくと立て青田あゆめり
*青田 季節としては、六月から七月ごろになる。
竹煮草たかくのび立ち暑き日を
猛だけしさに群だちそよぐ
*竹煮草 ケシ科の多年草で、高さ二メートルほどになる。七月、陽当りのよい荒地に咲く。