俳句・短歌 歴史・地理 歌集 古事記 2020.10.04 歌集「古事記物語・異聞」より三首 歌集 古事記物語・異聞 【第19回】 松下 正樹 私たちの太陽(アマテラス)はどこへ行ったのだ? 日本人の原像がまざまざとよみがえる。 日本最古の史書『古事記』に登場する神々の世界を詠う、他に類を見ない叙事的な歌集。叙情的な文語と明快な口語を絶妙に組み合わせながら、神々の悲哀と愛憎をつぶさに表現する。 日本の神々は、民と交わり、民とともに働き、人間同様死にゆく存在でもある。 王国の成立と興亡の歴史が秘められた『古事記』の世界を、人々の悲しみと喜びを歌で再現。日本人の原点の物語を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 須佐之男の乱暴やまず清らかな 高天の原は穢されたり 天照は神々のお召しになる緋の衣 みめよき乙女に織らせていた 須佐之男は馬の生皮ひき剝がし 乙女をめがけて投げつける
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『迷いながら揺れ動く女のこころ』 【第18回】 松村 勝正 ジムで出会った同年配の女性。悪趣味と思いながらもサウナで体を観察してしまい… 周りの人も同じように柔軟体操をして、インストラクターが来るのを待っていた。美代子は、初めて参加した時と違い、緊張を感じることなく、周囲に目をやる余裕もあった。インストラクターが駆け足でやって来て、鏡の前に立った。いつものように「皆さん元気してますか?」と言うなり、リズムを刻む音楽が流れ、フロア全体が躍動感に包まれた。二十分も動くとすでに上半身が汗ばんできた。休憩時間になったとき、お隣の篠田さんが…