自分の白血球の型に合うドナーを探すのが難しく、なかなか簡単ではない治療方法ですが、根本的に治すにはこれしかないとも言える治療方法なので、最終的にはこの治療法を選ぶことも考えなくてはいけません。

ただ、前述の投薬治療だけで白血病がほぼ治癒したという人も存在しますし、造血幹細胞移植をするかしないかは、担当医師と患者さんの判断によります。

説明のとおり、基本的には抗がん剤の投与を中心とした治療になりますが、抗がん剤の副作用による苦しみは映画やドラマでも知るところだと思います。当然、入院生活に対しての不安が大きいところなので、私は治療を開始した次の日に、私と妻でよく考えて個室の病室(一人部屋)に移ることにしたのです。

その理由の一つは、私は今までに大きな病気をしたことがなく、単純に長い入院がどんなものかわからなかったので、大部屋(4人部屋)だったら同じ病室の患者さんとうまくやっていけるだろうかとか、いびきがうるさい人や性格のきつい人がいたらどうしようとか、いろいろな心配が治療の妨げになるかもしれないと思って、とりあえず最初は個室にしようと決めました。

そしてもう一つの理由は、あとでも出てきますが保険に入っていたので入院費や一時金が出ることから当座の費用を心配せずに治療を最優先にしようと考えました。

大部屋にはシャワールームがないため、共同のシャワー室の予約を取ったうえで利用します。最初のうちは、検査や投薬の時間がなかなかつかめていないので、シャワーの予約を何時に取ったらよいかがわかりにくかったです。でも、個室の病室ならシャワー室がついているので、いつでも自分の時間が空いているときにシャワーを浴びることができるので便利でした。

※本記事は、2020年5月刊行の書籍『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。