やはりデキ婚なんて認められない。絶対にデキ婚だけはしたくなかった私は、ハギと付き合い始めた頃からピルを飲み始めた。

ハギはセックスのとき欠かさずコンドームをつけた。初めてセックスでエクスタシーを感じてから、何度も何度もセックスをする中で私はどんどんセックスに対して積極的になっていった。

もともと私は人より性に対して情熱を持っており探究心も強い。常に最高のセックスをしたいと思うあまり、後先考えずに行動することもあった。

スイッチが入ればお気に入りの洋服が汚れることも、声が漏れて外に聞こえてしまうこともお構い無し。もっと興奮したい、気持ち良くなりたい、好きになってもらいたい、そういう想いの強さから、コンドームをつけるという所作にもいつしか興ざめするようになった。例えばロマンス映画の濡れ場を見ても、激しく舌を絡ませながらベッドに入るカップルが、コンドームをつける描写なんて映されてはいない。

セックスは私にとって相手に自分を魅せるためのパフォーマンスであり、それはロマンチックかつエロティックで情熱的であればあるほど良かった。男が喜ぶことは、アダルトビデオを観ればだいたい分かる。

普段はワガママを言っていても、セックスとなると驚くほど献身的で、もはや捨て身と言ってもいいくらい私は人が変わった。しかし一方で、冷静な自分もいた。

どんなに素晴らしいセックスをしても、妊娠だけはしてはならない。激しく求められすぎて歯型を付けられたり、下着を破られたりしても、そんなことは問題ではない。子供さえできなければそれでいいのだ。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『不倫の何がいけないの?』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。