自動再現能力

溝口:人間は修復しながら元の状態に戻す、自動再現能力(※2)を持ち合わせています。

※2 細胞が傷ついても自らの力で自動的に修復し、元の状態に戻そうとする能力。かさぶたをイメージするとよい。

人間だけではなく生物全般に言えることです。たとえば、トレーニングで筋肉を鍛えるとその部分の細胞は傷つき、2~3日間の超回復期を経て筋肉は修復されていきます。皮膚の細胞も同じく、皮膚が傷つけばまた新しい皮膚が作られて元の状態に再現されていきます。

この自動再現能力を機能させるためにはエネルギーや物質が必要です。まずはタンパク質です。

中村:はい、これはよく聞きます。

溝口:そのタンパク質の中に存在しているのが20種類のアミノ酸(主なアミノ酸)。20種類のアミノ酸は立体構造の土台となる骨格は同じですが、その骨格につく電子が違います。

それぞれ違う電子が20種類あります。それは後で説明しますが、そのアミノ酸は体内で必要な形に並べ替えられます。

その並び替られる時に指示を出すのがDNAです。DNAはアミノ酸を並び替えるための暗号化された設計図だと思ってください。

そのDNAがタンパク質合成装置のリボゾームにアミノ酸を並べていくんです。そのアミノ酸なんですが、アミノ酸には「可欠アミノ酸」と「不可欠アミノ酸」があり、人体の中で作れるのが「可欠アミノ酸」、人体では作れず食品からしか摂取できないのが「不可欠アミノ酸」です。

中村:20種類と言われているアミノ酸には、「可欠アミノ酸」と「不可欠アミノ酸」というのがあるんですね。