北限の岬によする波に濡れ
天草をさぐり採る女たち
*天草 テングサ科の紅藻。
尻屋崎に放牧さるる寒立馬
あを草の上に太き糞おく
矛草の萌ゆる岬の寒立馬
仔はよりそひて乳房吸ひゐき
※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 秋津島逍遥【第26回】
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
北限の岬によする波に濡れ
天草をさぐり採る女たち
*天草 テングサ科の紅藻。
尻屋崎に放牧さるる寒立馬
あを草の上に太き糞おく
矛草の萌ゆる岬の寒立馬
仔はよりそひて乳房吸ひゐき