A 脳みその容量が普通の人より多いねん。だから賢いねん。そやから頭の小っちゃい人はアホやねん。

B お客さんの中にも、気悪うする人いてはるで、ほな足柄山の金太郎は賢いねんな。絵本見てみ四等身位やで。頭ばっかりやで。

A 多分賢いと思う。知らんけど。

B 知らんのかいな。

A このデカイ頭を、しこたまぶつけてん。

B どこで、どないしたん。

A ベッドに飛び上がって、寝ようとしてん。そんでベッドの宮に頭をぶつけてん。

B あんたんとこのベッド宮付きの高級ベッドやったか。

A その宮に後頭部をぶつけてん。

B デカイ頭、壊れへんかったか。

A ガーンとなって、しばらく何も聞こえなんだ。

B ほんま大丈夫かいな。

A アホになったんちゃうかと思ったから、一足す一は二、二足す二は四って言うてん。

B ええ? 大丈夫?

A ほんで昨日も又こけてん。

B 又こけたん。

A そこはたたみの部屋やったから。足算せんでも大丈夫やってん。何回頭ぶつけても歯に衣着せぬって分からん。若過ぎるからかな。

B 年には関係ないやろ。

A 掻けば掻く程痒くなる、蚊にさされた跡みたいや。

B 衣着せぬ人が、ほんまは勇気ある人やと思うけどな。

A 教養もない、品性もない、って言われてもええねん。気つかいながら、モノ言わなアカンなんて、ゴメンや。

B あんたやっぱり大阪のおばちゃんやわ。

A 大阪のおばちゃんで結構、言いたいこと言うて生きていく。お世辞も言わん。謙遜もせえへん。衣ばっかり着せて、お腹ばっかり膨れるのはゴメンや。

B これ以上、お腹膨れたら、どうしようもないで。

A もうええわ。

※本記事は、2019年12月刊行の書籍『もうええわ!』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。