A やらしいこと聞く時は、ママって言う方が答え易いやろうと思ってな。無理して言うてんのや。

B まあまあ、ママにしといたろ。

A それはね。ママが大人だからよって言うねん。

B ほんま気持ち悪いな。お前とこのおかん、ママっていう顔か。崩れた岩石みたいな顔して。

A 崩れた岩石って、それはちょっと言い過ぎやろ。せめて岩肌ぐらいにしとってくれる。

B あんまり変らん思うけどな。

A うちの母親は、いやらしい時、女を出すねん。

B 気持ち悪いおかんやなあ。まあ辛抱しといたろ。ほんで。

A 大人になったら、なんでここに毛がはえるんって、又聞いてん。

B ほんなら。

A ここは大事な所だから、守ってるのって言うねん。

B まあ大事な所に違いないわな。

A 何で大事なんって又聞いたってん。

B そしたら。

A ええイ、うるさいなあ! つまらんことばっかり考えとらんと、お使いに行ってこいって怒鳴られたわ。

B 母さんの叱る言葉は幼稚園の時から十年同じ。

A お前に似合わんうまいこと言うやん。

B 誰のお陰で、親になれてるって、思ってるんやろか。

A そら俺らのお陰やろ。

B そんな阿呆な。もうええわ。